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七難

提供: 新纂浄土宗大辞典

しちなん/七難

七種の災難の意。経典によって内容に相違がある。①『仁王般若波羅蜜経』下、受持品の説。日月失度難、星宿失度難、災火難、雨水変異難、悪風難、亢陽こうよう難(日照り)、悪賊難の七を挙げる。これらの名称は智顗『仁王護国般若波羅蜜経疏』五(正蔵三三・二八四下)による。②『薬師瑠璃光経』の説。人衆疾疫難、他国侵逼しんぴつ難、自界叛逆ほんぎゃく難、星宿変怪難、日月薄蝕難、非時風雨難、過時不雨難の七を挙げる。これらの名称は『薬師瑠璃光本願功徳経』(正蔵一四・四〇七下)による。③『法華経』普門品では火難、水難、羅刹難、刀杖とうじょう難、鬼難、枷鎖かさ難、怨賊おんぞく難の七を挙げる。ここでは災厄が七項目にまとめられているわけではないが、智顗『観音義疏』上(正蔵三四・九二三中〜八中)によって七難とする。


【参照項目】➡七難消滅の法


【執筆者:齊藤舜健】