十八物
提供: 新纂浄土宗大辞典
じゅうはちもつ/十八物
大乗の菩薩が常に身近に備えるべき一八の物。十八種物ともいう。『梵網経』二には、①楊枝②澡豆(豆の粉で作った洗剤)③三衣④瓶⑤鉢⑥坐具⑦錫杖⑧香炉⑨漉水囊(飲水に入った虫を濾過する布)⑩手巾(手ぬぐい)⑪刀子(剃髪や裁布等に用いる)⑫火燧(火打ち石)⑬鑷子(毛抜き)⑭縄床(縄で作った一種の寝床)⑮経⑯律(戒本)⑰仏像⑱菩薩像とある(正蔵二四・一〇〇八上)。また、勝荘『梵網経菩薩戒本述記』二では、三衣を三つに分け、経と律をあわせて一つ、同様に仏像と菩薩像をあわせて一つとする(続蔵三八・四三二下~三上)。あるいは、義寂『梵網経菩薩戒本疏』下末では、楊枝、澡豆を抜き、三衣を三つに分け、合わせて十八物とする(正蔵四〇・六八三上~中)。
【参考】『梵網経』(『仏典講座』一四、大蔵出版、一九六一)
【参照項目】➡六物
【執筆者:中野晃了】