ししげん/獅子絃
五巻。定月撰。寛延二年(一七四九)成立。序には定月が小金東漸寺にいたときに書いたとある。日達が『愍諭繫珠録』七巻によって浄土宗を批判したものに対して反駁した著。本文の構成は「録に曰く」としてまず『愍諭繫珠録』の文を出し、次いで「弾じて曰く」として『愍諭繫珠録』の文を逐一破していくものである。この書に対する日蓮宗側からの再度の反駁書として日生の『金剛王』二巻、日尚・日源共著の『如来獅子円絃』一五巻、日賢の『光揚義』一一巻、日淙の『円絃国字答』一巻などがあり、日蓮宗側への影響が大きかったことが知られる。
【所収】『日蓮教学全書』続宗論部一五・一六
【執筆者:笠島崇信】