『梵網経』に説かれる四十八軽戒しじゅうはっきょうかいのうち第三戒のことで、生きとし生けるものの肉を食することがあれば軽垢罪きょうくざいに当たるとしてこれを制する。この戒では肉食は大慈悲の性の種子を断つものであり無量の罪を得ることになるとするが、条文の冒頭には「故ことさらに肉を食せんや」(正蔵二四・一〇〇五中)という表現が用いられていることから、完全な禁止を唱えているわけではないと見られている。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【参照項目】➡四十八軽戒、軽垢罪
【執筆者:袖山榮輝】