怒りの心によって他人の謝意を受け入れないことを禁じた戒。不瞋不受謝戒ともいう。十重禁戒の第九番目。このようなことを誰かに教えて、させることも禁止されている。菩薩は、人々の中にあって、穏やかな心をもち、また常に慈悲をもって生きるべき存在である。それにもかかわらず、言葉で人を侮辱し、手や武器で人を傷つけてもなお怒りがおさまらず、またその人が謝っても怒りによって受け入れることがないならば、波羅夷罪はらいざいとされる。
【資料】『梵網経』、『菩薩戒義疏』
【参照項目】➡十重禁戒、波羅夷
【執筆者:石田一裕】