自力他力事
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:25時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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じりきたりきのこと/自力他力事
一巻。隆寛著。一三世紀前半頃、成立年次不詳。念仏について、自力と他力に分別し、自力を捨てて他力につくことを示した仮名書きの書。『唯信鈔』『後世物語聞書』とともに親鸞が愛読し、東国の門弟に書写して送ったことで知られる。阿弥陀仏の他力を強調しており「まさしき本願の極楽にはまいらずして、わずかにそのほとりへまいりて」(続浄九・三一下)とした隆寛教学の特徴である辺地往生が説かれている。現在伝わるのは寛元四年(一二四六)の親鸞書写本で真宗系列の寺院に伝承されている。
【所収】続浄九、真宗聖典二、『定本親鸞聖人全集』六、正蔵八三
【参考】平井正戒『隆寛律師の浄土教附遺文集』(国書刊行会、一九四一)
【参照項目】➡辺地往生
【執筆者:伊藤茂樹】