罪を除き滅するための法。『観経』に、下品下生の者は往生して十二大劫の後、観音・勢至両菩薩よりこの除滅罪法を聞くと説かれる(聖典一・三一三/浄全一・五〇)。そもそも念仏には滅罪の功徳があるのに、何故往生後の除滅罪法が説かれるかという問題について、良忠の『伝通記』散善義記には、念仏の滅罪は往生の障りとなる罪を滅するものであって、この往生後の除滅罪法は、発心の障りとなる微細な罪を除くためのものであるから、とされている(浄全二・四三二上~下)。
【執筆者:市川定敬】