仏の国土(浄土)を家に喩えていう語。一般に阿弥陀仏の極楽浄土を指す。諸仏法王家、法王家などともいう。善導の『観経疏』散善義には、「五に今生すでにこの益を蒙れば、命を捨ててすなわち諸仏の家に入る。すなわち浄土これなり。彼かしこに到りぬれば長時に法を聞き歴事りゃくじ供養して因円まどかに果満ず。道場の座あにはるかならんや」(聖典二・一五二/浄全二・七一上)とあり、諸仏家とは極楽浄土であり、その極楽浄土に往生した後には、長時にわたり仏法を聞き、諸仏を供養し、菩薩としての因を具え、菩薩行が完成するとしている。
【執筆者:神宮良弘】