一行寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
いちぎょうじ/一行寺
群馬県藤岡市藤岡。藤岡山尊願院。群馬教区№一三。仁治元年(一二四〇)頃、法然の弟子で鎌倉御家人の津戸三郎為守の開基と伝える。天正一九年(一五九一)藤岡城主芦田康貞の帰依を得た幡随意が本動堂から現在地に移して中興した。寺宝の聖観音は、木曽義仲の側室巴御前の守本尊であったのを津戸三郎が木曽より譲り受けて鮭塚の原に堂宇を建てて安置した。この聖観音は鎌倉時代の作とみられている。現在は身代わり観音として信仰されている。
【資料】『浄土宗寺院由緒書』中(『増上寺史料集』六)、『鴻巣勝願寺志』(浄全二〇)、毛呂権蔵『上野国志』
【参考】『藤岡町史』(藤岡市、一九五七)、『藤岡市史』(同、一九九五)
【執筆者:𠮷水成正】