二巻。『十疑論翼註』ともいう。不必撰。延宝七年(一六七九)の作。『浄土十疑論』の末書である澄彧ちょういくの『註浄土十疑論』を細分して、私解を加えつつ解釈したもの。『往生論註』『安楽集』『観経疏』などを用い、罪悪生死の凡夫の称名一行による浄土往生が力説される。またこれらの他、『法華経』『中論』『大智度論』など幅広い経疏が引用されており、不必の博識がうかがわれる。
【所収】続浄七
【参考】『浄土宗典籍研究』(山喜房仏書林、一九七五)
【参照項目】➡浄土十疑論、註浄土十疑論
【執筆者:市川定敬】