釈尊在世時のインドのマガダ国王頻婆娑羅(ビンビサーラ)の妃にして阿闍世(アジャータシャトル)太子の母。ⓈVaidehī。毘提希・勝身・勝妙身とも漢訳する。数多くの経典にその名を見ることができるように、頻婆娑羅王とともに釈尊の敬虔けいけんな帰依者であった。浄土教では『観経』に説かれる王舎城の悲劇の主人公として登場する。息子の阿闍世に幽閉された頻婆娑羅王にひそかに飲食を運んだことによって、自らも幽閉される。その絶望と悲嘆の中で、釈尊によって極楽浄土への往生行を示され救われた。
【参照項目】➡観無量寿経、韋提希論
【執筆者:齊藤隆信】