招き呼ぶこと。阿弥陀仏がすぐに来たれと衆生を招き呼ぶこと。発遣はっけんの対語。善導の『観経疏』散善義の二河白道の喩えに「弥陀、悲心をもって招喚したまう」(聖典二・二九九/浄全二・六〇下)とある。これは群賊ぐんぞく悪獣に追われた人が、火と水が相あい迫る河に行く手を阻まれ、必死の思いで中間の極めて細い道(白道)を渡ろうとしたとき、背後からはこの道を行けと促す声(釈迦)がし、対岸の西方からは直ちに来たれという声がした。この直ちに来たれという声は、実は阿弥陀仏が衆生を極楽に招喚するものであると善導は説明する。
【参照項目】➡発遣・招喚、二河白道
【執筆者:粂原恒久】