池の水の御影
提供: 新纂浄土宗大辞典
いけのみずのみえい/池の水の御影
法然の御影の一。知恩院蔵。法然作の和歌「いけのみつ 人のこゝろに にたりけり にこりすむこと さためなけれは」(『四十八巻伝』三〇、聖典六・四八三/法伝全二〇一)を絵画化したもの。御影は本来、礼拝の対象として仏格化した肖像画であるが、この御影は日常的な姿の法然が池に映る自身の姿を見ている構図で、周りには池、柳、花など風景表現があり、しかも横幅が広いところに特徴がある。右上に書かれている和歌は、新義真言宗の学僧如幻道空(一六六六—一七五一)七三歳のときの書であり、彼はこの歌に共感し、法然に心をよせたと考えられる。左下に絵師栄元の落款があるが、伝記は不詳。【図版】巻末付録
【参照項目】➡法然上人御影
【執筆者:成田俊治】