さんきふんべつ／三機分別

法然のものと伝えられる法語。本来は題名は付されていないが、『決定往生三機行相』とも呼ばれる。内容は、必ず往生する行相（修行のありさま）に、大きく三種の機根があるとする。その分類の仕方は、やや複雑であるが、①信心が確定した機根、②信心と行相を兼ねた機根、③行相のみの機根である。そして、①の機根を、「精進の機根」と「懈怠の機根」に分類し、さらに前者を二種類に分類している。この「精進の機根」は、最初に分類した②の「信心と行相を兼ねた機根」のことを指すと考えられる。また「懈怠の機根」も、さらに「精進の機根」と「懈怠の機根」に分かれる。そして、機根にしたがって各自励むことを勧めている。このように、必ず往生する行相を分類し、様々な信心・行の有様を示している。『西方指南抄』中末のみに伝わる。

【所収】昭法全、『親鸞聖人真蹟集成』五

【執筆者：角野玄樹】