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五時八教

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ごじはっきょう/五時八教

中国の天台智顗による教相判釈の総称。「五時」とは、羅什門下の慧観によって創唱された説時による経典分類を踏襲発展させた、華厳時・鹿苑時・方等時・般若時・法華涅槃時の五時教判を指す。「八教」とは、「化法四教」と、「化儀四教」とを合して併称したもの。このうち「化法四教」は釈尊の教説の内容を浅いものから深いものに蔵教・通教・別教・円教の四教に分けたもの、また「化儀四教」は教化の対象となる衆生機根の洞察に基づいた仏による教化の在り方を頓・漸・不定・秘密の四教に分けたもので、いずれも前代までに南朝と北朝で行われたさまざまな教判(これを南三北七と総称する)を批判的に拡充発展させたものである。天台教判は、これらの三種の教判を組み合わせて用いることによって、ある一つの教判的な観点のみでは捉えきれない仏教経典の教相を余すことなく捉えようと努めており、これによって仏による教化の全体像とそれぞれの経典の役割が明確化された。とりわけ『法華経』はその目的(仏出世の本懐)が一乗にあることを明らかにする最重要の経典に位置づけられた。


【参照項目】➡教相判釈天台宗五時教


【執筆者:木村周誠】