五行
提供: 新纂浄土宗大辞典
ごぎょう/五行
1菩薩が修行すべき五種の行法。聖行・梵行・天行・嬰児行・病行の五種。『大般涅槃経』の聖品・梵品・現病品の各品に説く。聖行は戒・定・慧の三学によって修行する行。梵行は浄心によって人びとの苦を除き楽を与える行。天行の天は四天中の第一義天で、天然の理によって妙行を行ずる行。嬰児行は菩薩の慈悲心によって嬰児に接するように小善を行ずる行。病行は大慈悲によって苦や病を示す行。2『起信論』に示される布施・持戒・忍辱・精進・止観の五種の修行法(五門)。六度(六波羅蜜)中の定度・慧度の二種を合わせて止観とし、これを五門修行と定める。3陰陽道の五行。木・火・土・金・水の五元素をいう。
【参考】土橋秀高「涅槃経五行の展開」(『龍谷大学論集』三四五、一九五二)
【参照項目】➡六波羅蜜
【執筆者:北條竜士】