香語
提供: 新纂浄土宗大辞典
こうご/香語
下炬の文、引導香語ともいう。拈香法語の略。能化の葬儀式で導師が香を焚いて捧読する法語で、偈頌などで法を説き示したもの。香語と下炬文とはその構成によって区分している。檀信徒の葬儀式では下炬文といい、密葬後の表葬では香語と称して四句の偈と二尊遣迎の文などを省略している。葬儀式の他には小祥忌香語の例も見られる(藤井赫然『宣疏表白祝文弔辞引導諷誦序賛記銘 文類大全』二五四、酉谷寺、一九三九)。下炬文は故人の往生浄土を念じるもので、社葬のときの香語は故人の会社に対する業績の顕彰であり、能化の香語は故人の徳行を讃えて還来穢国度人天を念じるもの。
【参考】千葉満定・中野隆元『浄土宗法要儀式大観』(名著普及会、一九八七)
【執筆者:西城宗隆】