仮名人
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:23時点における192.168.11.48 (トーク)による版
2018年3月30日 (金) 06:23時点における192.168.11.48 (トーク)による版
けみょうにん/仮名人
仮に人と名づけられるもの。仮名とはⓈprajñaptiの訳で、仮に名づけることの意。仮設、仮説、施設などとも訳される。第一義(真実の道理)からすれば人間は五蘊が仮に和合したものであり、実体としての存在ではないから仮名人という。曇鸞は『往生論註』上において願生の義を釈して、「この間の仮名の人の中に於いて五念門を修するに、前念は後念のために因となる。穢土の仮名の人と浄土の仮名の人と、決定して一なることを得ず、決定して異なることを得ず。前心後心も亦復是の如し」(浄全一・二二一中/正蔵四〇・八二七中)と説き、中観思想に基づき、念相続の上に因縁往生が成り立つことを説き明かしている。
【参照項目】➡仮
【執筆者:梶原隆浄】