石井教道著。昭和三九年(一九六四)石井教道博士遺稿刊行会刊。華厳思想の成立、華厳経典成立期、華厳学の成立、の三篇からなる。著者は昭和一八年(一九四三)八月、栂尾とがのお高山寺宝庫で華厳密教の古文書を発見、これを東密・台密に対し「厳密」と名づけ、同二六年「華厳学成立考」を執筆、文学博士の学位を授与された。著者の没後、大正大学浄土学研究室を中心に遺稿刊行会が設立され、本書の刊行に至った。
【執筆者:梶村昇】