黒谷
提供: 新纂浄土宗大辞典
くろだに/黒谷
1滋賀県大津市坂本。比叡山延暦寺西塔北谷にある地名。元(本)黒谷とも呼称。大黒天出現の地という伝承から大黒谷と呼ばれていたのが黒谷になったという。聖や隠遁者が住んだ比叡山五別所の一つで青龍寺がある。黒谷僧都と呼ばれた禅瑜が浄土教を宣揚し、叡空、法然も居住して黒谷上人と称せられた。2京都市左京区黒谷町。金戒光明寺が所在する一帯の地名および金戒光明寺の別称。比叡山黒谷に対し新黒谷と呼ばれていたのが、現在は単に黒谷と呼称される。
【資料】『西塔堂舎幷各坊世譜』(『天台宗全書』二四)、『雍州府志』四(『新修京都叢書』一〇、臨川書店、一九六八)、『本山黒谷略縁起』
【参考】『黒谷誌要』(浄全二〇)
【執筆者:山本博子】