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拘物頭華

提供: 新纂浄土宗大辞典

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くもつずげ/拘物頭華

蓮の一種。ⓈⓅkumudaの音写語。拘勿頭、俱勿頭、拘物陀、拘母陀などと音写され、地喜花と漢訳される。インド産の蓮、あるいは睡蓮の一種で、色に関しては青、赤、黄、白と様々な説がある。『無量寿経』上では「天の優盋羅華うはらけ(Ⓢutpala)・盋曇摩華はどまけ(Ⓢpadma)・拘物頭華分陀利華ふんだりけ(Ⓢpuṇḍarīka)あり」(聖典一・二四二/浄全一・一六)と四種の蓮華が列挙され、義山は『無量寿経随聞講録』上之四でこの箇所を「拘物頭華とは黄蓮華なり。或いは赤及び青色有り」(浄全一四・一三八)と注釈している。パーリ経典(『スッタニパータ』三—一〇、南伝二四・二五〇)ではクムダ地獄(Ⓟkumuda niraya)という地獄の一種の名前としても現れる。


【執筆者:榎本正明】