—貞観七年(八六五)八月一五日。口称念仏の先駆者。教信は長年念仏を称えての往生を願っていたが、無事往生することができたことを勝尾寺の勝如の枕元に出現して告げた。勝如は弟子の勝鑑をして確かめるに、教信が昼夜を問わず弥陀の名号を称えていたことを知り、自身も無言の行をやめて口称念仏によって往生を遂げたという。一遍や親鸞によって口称念仏の先駆者として評価され、この伝説は教信・勝如の結縁念仏往生譚たんとして流布した。教信の住まい跡に建つ野口の教信寺では「野口の大念仏」が行われている。
【参照項目】➡勝如
【執筆者:魚尾孝久】