一巻。智旭撰。明・永暦元年(一六四七)成立。『阿弥陀経』を天台の立場より解釈した書。智旭の浄土教を知る代表的な書であり、自らの編集になる『浄土十要』にも収録している。自序の後に五重玄義により要旨を述べ、続いて経文に細釈を加え、跋文ばつぶんを付す。浄土の法門は三根を遍く摂する絶対円融不可思議の法であり、本経の宗体は信・願・持名であるとする。この持名すなわち一心不乱に弥陀仏名を憶念する念仏三昧こそが最も簡易にして奇特、円頓中の最極円頓の法であると説く。
【所収】正蔵三七、続蔵二二
【参照項目】➡浄土十要、智旭
【執筆者:朝岡知宏】