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阿弥陀経疏鈔

提供: 新纂浄土宗大辞典

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あみだきょうしょしょう/阿弥陀経疏鈔

四巻。明・袾宏述。袾宏の生存時期から、一六世紀末から一七世紀初めの成立。袾宏の遺文集『雲棲法彙うんせいほうい』に収められている。本書は、『阿弥陀経』の注釈書として自らが著した『阿弥陀経疏』をさらに詳しく解釈したもので、明代中国浄土教を代表する著作の一つ。通序大意・開章釈文・結釈呪意という三つの部分から成る。その中、通序大意では、明性・讃経・感時・述意・請加という項目を通じて説明する。開章釈文では、華厳の十玄門思想に基づき、教起所因・蔵教等摂・義理深広・所被階品・能詮体性・宗趣旨帰・部類差別・訳釈誦持・総釈名題・別解文義の項目で詳細に注釈する。華厳思想をその基本理念とするが、称名念仏の優れていることも強調する。


【所収】続蔵二二


【参考】荒木見悟『雲棲袾宏の研究』(大蔵出版、一九八五)


【執筆者:肖越】