一二世紀頃、生没年不明。中国宋代の浄土教者。初め天台山家派の草菴道因(一〇九〇—一一六七)に教えを受けていた。しかし、元照『観経義疏』の反駁書である道因『観経輔正解』を読んで、逆に元照の浄土教に帰すことになり、『観経扶新論』を著して元照の説をたすけた。その後も、戒度は元照の浄土教著作の注釈書を作成し、元照の浄土教を顕彰した。現存する著作に『観経疏正観記』三巻、『無量寿仏讃註』一巻、『阿弥陀経義疏聞持記』三巻がある。ただし、『聞持記』は戒度が述作中に没したため、石鼓法久が引き継いで完成させたものである。
【執筆者:吉水岳彦】