観経扶新論
提供: 新纂浄土宗大辞典
かんぎょうふしんろん/観経扶新論
一巻。『観無量寿経扶新論』ともいう。宋・戒度撰。淳熙五年(一一七八)成立。本書は元照の『観無量寿仏経義疏』(観経新疏)に対して、天台宗の草庵道因が『補正解』を書いて批判したので、戒度が元照の説を弁護するために著した書である。巻頭の自序に著作の由来を記し、本文は元照の『義疏』と道因の『補正解』の文を一節ずつ併記し、『補正解』の説を批難している。内容は、極楽浄土の純大乗、浄土と自心、観仏三昧、妙理、十六観は観心、是心作仏、浄土の分類、思惟正受、浄土行と魔、心浄と浄土、浄土と法性、無生忍と初住、往生浄土の観法、九品、逆謗除取等の二四項目である。
【所収】浄全五、続蔵二二
【参照項目】➡観無量寿仏経義疏
【執筆者:佐藤成順】