おおごのこじろうひでむら/大胡小次郎秀村
—正元元年(一二五九)。上野国大胡(前橋市)の住人。大胡実秀の孫。祖父実秀が法然からもらった消息を大切に保管し、それをよりどころとして正元元年に往生した。『念仏往生伝』には、往生の夢想を隆寛の弟子であり当時鎌倉にいたとされる南無房智慶に相談したとも記されている。このことから、法然没後、一時弾圧された専修念仏が再びこの地方で活動を始めていたことがわかる。
【資料】『念仏往生伝』(『金沢文庫資料全書』四、神奈川県立金沢文庫、一九八〇)
【参考】小此木輝之『中世寺院と関東武士』(青史出版、二〇〇二)
【執筆者:小此木輝之】