三巻。『論註拾遺鈔』『浄土論註拾遺鈔』ともいう。道光撰。嘉元四年(一三〇六)作。本書は、『往生論註』の文に抄出細釈を施したもの。同じ道光作の『往生論註略鈔』と趣が異なるため、著者については道光とする説と、名越派尊観の門弟である良然とする説との二説がある。『往生論註正義叙説』では、『貞伝集』上において良然の作とする説を『往生論註正義』と『論註解鈎鎖』の説から鑑み否定する。それに対して『蓮門類聚経籍録』においては、道光作を否定し、良然の作としている。
【所収】浄全一
【参照項目】➡往生論註
【執筆者:加藤芳樹】