龍誉高天
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年9月17日 (月) 10:09時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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りゅうよこうてん/龍誉高天
念仏弘通を守護する竜神。幡随意が教化したという竜王の戒名。『幡随意上人諸国行化伝』一には、天正一〇年(一五八二)に館林善導寺で竜女(王誉妙龍)を化益し、また高田善導寺(新潟県上越市寺町)で龍誉高天を化度したことを記している。幡随意が高田善導寺にいたある夜に老翁が現れた。館林の躑躅カ池に住んでいたが、妻の妙龍が往生した後に池を竜子に譲り、青柳の池(上越市清里区青柳の坊ヶ池)に住んでいる竜神であると名乗り化導を求めた。幡随意は血脈と十念を授け、龍誉高天は往生した。高天は菩薩の姿になって、妻の妙龍と共に浄土宗を守護し、妙龍は清水を吐いて火災を、高天は洪水を防いで水難を救うことを約束した(八オ、二一ウ、宝暦五年〔一七五五〕)。これによって、本堂の落慶式・五重相伝などのときには、念仏弘通の守護神として本堂の柱に「王誉妙龍」と「龍誉高天」という戒名を記した札などを奉安する。先に弟子となった妙龍は高天よりも上座にする。『幡随意上人行状』では、館林善導寺が「龍誉高転」で、高田善導寺が「王誉妙龍」と逆であり(浄全一七・七〇三上)、高田善導寺の寺伝も妙龍としている。
【参照項目】➡王誉妙龍
【執筆者:西城宗隆】