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往生要集義記

提供: 新纂浄土宗大辞典

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おうじょうようしゅうぎき/往生要集義記

八巻。良忠述。弘安五—九年(一二八二—一二八六)の作と推定される。『往生要集』の随文解釈ずいもんげしゃくで、同じく良忠の『往生要集鈔』を増補・改訂したもの。初めに解題と釈文の二門に大分し、解題では書題と撰者、釈文ではまず序分正宗分流通分の三段に分かち、章門の開合を明かす。この構成は原則的に法然往生要集釈』に準拠する。本書は法然が辿ったように源信から善導へと回帰すること、さらには法然を起点とする浄土宗へと引導することを目的としている。良忠は一一歳のころ、『往生要集』の講説の聴聞を契機として浄土教へ帰入したと伝えられ、著作活動の最晩年に本書が撰述されたことは、良忠の教学の総決算といえよう。現存する版本は古くは寛永一八年版が有名であるが、無刊期の古活字版(仏教大蔵)も知られる。浄全本は元治元年(一八六四)の校訂版であり、その際に凡例・跋文が付加され、欄外に他版との異同や所引経論の出典が明記された。


【所収】浄全一五


【参考】大谷旭雄「『往生要集義記』について」(浄土学三六、一九八五)、南宏信「『往生要集釈』の構成について」(『佛教大学大学院紀要』三五、二〇〇七)


【参照項目】➡往生要集


【執筆者:石上壽應】