理真
提供: 新纂浄土宗大辞典
りしん/理真
—正応二年(一二八九)五月二八日。字は源忠。上総国出身とされるが、家系は不明。良忠の弟子。初め唯識を学ぶために南都に遊学し、後に良忠の門に入る。正確な記録はないが、良忠が下総国において活動していた頃にはすでに師事しており、『伝通記』を作成する際には同席し、経典・論疏や余流の抄物を引く役を担った。著述はないが、良暁『決疑鈔見聞』には就行立信について尊観と対立し、聖冏『往生礼讃私記見聞』には定勝散劣について礼阿と意見を異にしていたことを伝えている。良忠の臨終にあたっては、蓮身とともに助念に参加した。
【資料】良心『授手印決答受決鈔』(浄全一〇)、『然阿上人伝』、心阿『鎮流祖伝』三(共に浄全一七)
【執筆者:沼倉雄人】