円満頓足の意。すべての功徳が円満にしてかたよらず、一切を欠けることなく心に具えていると悟って、たちどころ(頓足)に成仏すること。天台宗の円教において、教え(教相門)の立場から見た場合は、三諦円融さんだいえんにゅうなどの円融思想によってその特色を語ることができるが、実践(観心門)の立場から見れば、因果不二、煩悩即菩提であって煩悩の心そのものが悟りの心に他ならないため、その道理を悟れば即座に成仏できるという円頓の教えが説かれる。
【執筆者:横田善教】