梵本『阿弥陀経』の「(鈴のついた)網」(Ⓢjāla)に対する鳩摩羅什の訳語で「かけあみ」。仏典には「真珠羅網」が頻出(例えば『法華経』)。『洛陽伽藍記』五に、「大ストゥーパ雀離浮図が完成し、カニシカは真珠で羅網を作って覆い懸けたが、死後の盗難を慮おもんぱかって解きほぐし…(趣意)」(正蔵五一・一〇二一中)とある。真珠を連綴して網をつくり、貴重なものに懸ける風習が、ガンダーラから中央アジアにあったことがわかる。
【執筆者:桑山正進】