明星寺
提供: 新纂浄土宗大辞典
みょうじょうじ/明星寺
福岡県飯塚市明星寺。平寿山妙覚院。福岡教区№九一。聖光の遺跡。開基等不明。『聖光上人伝』によると、聖光が嘉応二年(一一七〇)に登壇受戒し、唯心房のもとで三年学んだ後、当寺に住していた常寂法師から五年にわたって教えを受けたとある。また、後には当寺の衆徒に請われて三重塔(『疑問抄』等には五重塔とある)の再建に着手し、三年間の九州勧進を経て建久八年(一一九七)に完成させたとされる。同年にこの塔に安置する本尊を求めて上洛し、法然と邂逅することとなった。聖光が復興した当時には虚空蔵堂、地蔵堂、薬師堂のみが残っていたが、それ以前は阿弥陀堂、観音堂、鐘楼等の堂宇があった。また、当寺を本坊とする一二坊があったようだがこれも現存しない。
【資料】『聖光上人伝』(浄全一七)、『太宰管内志』上(文献出版、一九八九)
【執筆者:郡嶋昭示】