神子上恵龍(一九〇二—一九八九)著。昭和四三年(一九六八)一一月、永田文昌堂発行。『弥陀身土思想展開史論』(一九五〇刊)の再版。印度・中国・日本における阿弥陀仏とその浄土の理解の変遷を仏身論・仏土論として二篇に分け論じる。浄土教の祖師のみならず、中国の聖道諸師の仏身仏土論も包括して史的展開を追うことに特徴がある。神子上は著書に『往生論註解説』『真宗教学の研究』『真宗教学の根本問題』などがあり、龍谷大学名誉教授、浄土真宗本願寺派勧学、兵庫県福専寺住職を歴任した。
【執筆者:能島覚】