みえい/御影
肖像の尊称。高徳な僧や貴人などの彫像や肖像画を意味する。肖像画は本来、対看描写であり、像主の生前に描かれたものを寿像といい、死後に描かれたものを遺像という。遺像は関係者の印象を描いたもの、あるいは寿像を写したものである。しかし寿像も遺像も外見上の写実と、内面へ肉薄する精神性を持たなければならない。すなわち「伝神写貌」といわれる。そのような性格をもつ高僧の肖像画が伝模移写され御影として尊崇され、次第に礼拝像にふさわしく象徴化されていくのである。禅宗では「頂相」といい、印可のしるしとして師が自身の肖像画に讃を書き、弟子に授ける。
【参照項目】➡法然上人御影
【執筆者:成田俊治】