一巻。藤原宗友著。仁平元年(一一五一)の成立。平安時代に撰述された六本の往生伝の最後の作品。四一名の往生人を収載する。『拾遺往生伝』『後拾遺往生伝』作者の三善為康みよしためやす伝があることから、両者に深い関係があることが推測される。院政期に特徴的な数量功徳主義や、四天王寺信仰の実態がうかがえ、また藤原敦基や大江親通など著名な文人の伝も録される。
【所収】続浄一七、仏全一〇七、『続群書類従』八上、『日本思想大系』七(岩波書店、一九七四)
【参照項目】➡往生伝、三善為康
【執筆者:吉原浩人】