筑前国坂本郡における大強盗の張本。伝暦未詳。六三歳のとき、息子の四郎(二一歳)と上洛の際に、法然の念仏義を聞いた四郎が出家。権之助は、当初反対していたが息子の勧めで出家し、法然の庵室で「浄土の法門承り嬉さのあまりに我が所領坂本へば下らずして二人の髪を妻子のもとへ形見にせよとて雑色遠方に遣して逐電して念仏往生を」(浄全一七・四八上)遂げたという。
【資料】隆寛『法然上人秘伝』下(浄全一七)
【執筆者:南宏信】