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法楽寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

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ほうらくじ/法楽寺

東山大谷に所在した寺。大谷寺とも称した。『華頂要略』八三には、法然開基とした法楽寺知恩院と称した寺院があり、その寺を現在の知恩院とする記述がみえている。しかし『華頂要略』五五の「妙香院庄園目録」康平六年(一〇六三)には「山城国法楽寺大谷寺」(『天台宗全書』一六・三二二)とあり、法然開基でなく妙香院の関係の寺として古く建立されていたようである。光明皇后の勅願寺とされ勢至菩薩本尊であったようであるが詳細は不明。『門葉記』には知恩院一五世の佐阿が永和二年(一三七六)法楽寺を修造した願文がみえている(正蔵図像一二・三二三)。実際に建立された時期や廃寺となった時期は不明である。また、現在の知恩院との関係も不明である。


【参考】三田全信「原〈知恩院〉の変遷について」(『仏教文化研究』五、一九五六)、村松清道「初期知恩院について」(『天台思想と東アジア文化の研究』山喜房仏書林、一九九一)、吉田清『源空教団成立史の研究』(名著出版、一九九二)


【参照項目】➡大谷知恩院


【執筆者:伊藤茂樹】