藤本淨彦著。平成一五年(二〇〇三)三月、平楽寺書店発行。法然の浄土教思想を宗教哲学的に論究する。序論にまず宗学研究方法論を提起し、本論第一部では善導との関係から法然浄土教の形成を見る。第二部では法然浄土教思想の内相として決定深信および二種深信の動態など、第三部ではその展開として親鸞との比較や聖光・良忠の受領について考察する。そして第四部では法然とキルケゴールの思想の比較などを通して、その世界宗教としての普遍性を論じる。
【執筆者:齋藤蒙光】