物事のあるがままのすがた。何らの人為も加わらないこと。おのずから。法爾も法然も法性(Ⓢdharmatā)の異訳。「法爾法然と」「法爾法然に」のように副詞的に用いられることもある。「世の人はみな因縁ありて道心をば発おこすなり。いわゆる父母兄弟に別れ、妻子朋友に離るる等なり。しかるに源空はさせる因縁もなくして法爾法然と道心を発すが故に、師匠、名を授けて法然と名づけたまいしなり」(『諸人伝説の詞』聖典四・四八三~四/浄全九・六〇六上)はその例である。
【参照項目】➡法爾道理
【執筆者:本庄良文】