浄土宗全書を検索する
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| 巻＿頁段行 | 本文 |
|---|---|
| J09_0606A01: | し三心そ四修そなと申す事の候は。みな南無阿彌陀 |
| J09_0606A02: | 佛にて决定して往生するそとおもふうちにおさまれ |
| J09_0606A03: | り。たた南無阿彌陀佛と申せは。决定して往生する |
| J09_0606A04: | 事なりと信しとるへき也。念佛を信せん人は。たと |
| J09_0606A05: | ひ一代の御のりをよくよく學しきはめたる人なりと |
| J09_0606A06: | も。文字一もしらぬ愚癡鈍根の不覺の身になして。 |
| J09_0606A07: | 尼入道の無智のともからにわが身をおなしくなし |
| J09_0606A08: | て。智者のふるまひせずして。たた一向に南無阿彌 |
| J09_0606A09: | 陀佛と申てぞかなはんず。なと同集 |
| J09_0606A10: | 又上人のの給はく。源空か目には。三心も南無阿彌 |
| J09_0606A11: | 陀佛。五念も南無阿彌陀佛。四修も南無阿彌陀佛な |
| J09_0606A12: | りと授手印にいでたり |
| J09_0606A13: | 又上人かたりての給はく。世の人は。みな因縁あり |
| J09_0606A14: | て道心をはをこす也。いはゆる父母兄弟にわかれ。 |
| J09_0606A15: | 妻子朋友にはなるる等也。しかるに源空は。させる |
| J09_0606A16: | 因縁もなくして法爾法然と道心ををこするゆへに。 |
| J09_0606A17: | 師匠名をさづけて法然となづけ給ひし也。されは出 |
| J09_0606B18: | 離の志しいたりてふかかりしあいた。もろもろの敎 |
| J09_0606B19: | 法を信じて。もろもろの行業を修す。をよそ佛敎お |
| J09_0606B20: | ほしといへとも。詮するところ戒定惠の三學をはす |
| J09_0606B21: | ぎず。いはゆる小乘の戒定惠。大乘の戒定惠。顯敎 |
| J09_0606B22: | の戒定惠。密敎の戒定惠なり。しかるにわがこの身 |
| J09_0606B23: | は。戒行にをいて一戒をもたもたず。禪定にをいて |
| J09_0606B24: | 一もこれをえす。智惠にをいて斷惑證果の正智をえ |
| J09_0606B25: | す。これによて戒行の人師釋していはく。尸羅淸淨 |
| J09_0606B26: | ならされは。三味現前せずといへり。又凡夫の心は |
| J09_0606B27: | 物にしたがひてうつりやすし。たとふるにさるのこ |
| J09_0606B28: | とし。まことに散亂してうごきやすく。一心しづま |
| J09_0606B29: | りがだし。無漏の正智なにによりてかをこらんや。 |
| J09_0606B30: | もし無漏の智釼なくは。いかてか惡業煩惱のきづな |
| J09_0606B31: | をたたむや。惡業煩惱の絆を斷せすは。何そ生死繫縛 |
| J09_0606B32: | の身を解脱する事をえんやかなしきかなかないかか |
| J09_0606B33: | せんせんここにわがごときは。すでに戒定惠の三學 |
| J09_0606B34: | のうつはものにあらず。この三學の外にわが心に相 |