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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0607A01: 應する法門ありや。わか身にたへたる修行やある
J09_0607A02: と。よろつの智者にもとめ。もろもろの學者にとふ
J09_0607A03: らひしに。をしゆる人もなく。しめすともからもな
J09_0607A04: し。しかるあひたなげきなげき經藏にいり。かなしみ
J09_0607A05: かなしみ聖敎にむかひててづからみつからひらきてみし
J09_0607A06: に。善導和尚の觀經の疏にいはく。一心專念彌陀名
J09_0607A07: 號。行住坐臥不問時節久近。念念不捨者。是名正定
J09_0607A08: 之業。順彼佛願故といふ文を見得て後。われらがこと
J09_0607A09: きの無智の身は。ひとへにこの文をあふき。もはら
J09_0607A10: このことはりをたのみて。念念不捨の稱名を修して
J09_0607A11: 决定往生の業因にそなふへし。ただ善導の遺敎を信
J09_0607A12: するのみにあらす。又あつく彌陀の弘願に順ぜり。
J09_0607A13: 順彼佛願故の文ふかくたましゐにそみ。心にととめ
J09_0607A14: たる也。そののち惠心の先德の往生要集の文をひら
J09_0607A15: くに。往生之業念佛爲本といひ。又惠心の妙行業記
J09_0607A16: の文をみるに。往生之業念佛爲先といへり。覺超僧
J09_0607A17: 都。惠心僧都にとひての給はく。僧都所行の念佛は
J09_0607B18: これ事を行すとやせん。これ理を行すとやせんと。
J09_0607B19: 惠心こたへての給はく。心萬境にさへきる。ここを
J09_0607B20: もてわれたた稱名を行する也。往生の業には稱名も
J09_0607B21: ともたれり。これによて一生の中の念佛。そのかず
J09_0607B22: をかんがへたるに。二十倶〓遍也との給へり。しか
J09_0607B23: れは則源空は。大唐の善導和尚のをしへにしたがひ
J09_0607B24: 本朝の惠心の先德のすすめにまかせて。稱名念佛の
J09_0607B25: つとめ。長日六萬遍也。死期やうやくちかづくによ
J09_0607B26: て。又一萬遍をくはへて。長日七萬遍の行者なりと
J09_0607B27: 徹選擇にいでたり
J09_0607B28: 禪勝房のいはく。上人おほせられてのたまはく。今
J09_0607B29: 度の生に念佛して。來迎にあづからんうれしさよと
J09_0607B30: おもひて。踊躍歡喜の心のをこりたらん人は。自然
J09_0607B31: に三心は具足したりとしるへし。念佛申なから後世
J09_0607B32: をなげく程の人は。三心不具の人也。もし歡喜する
J09_0607B33: 心いまたをこらすは。漸漸によろこびならふへし。
J09_0607B34: 又念佛の相續せられん人は。われ三心具したりとし

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