経典の内容を絵解きし、絵画や浮彫うきぼり、立体造形などで表現したもの。単に変、経変ともいう。文字で表された経説を、相を変じて視覚的に表すことからこの名がある。仏伝や本生譚、あるいは大乗経典に示される経説や浄土の姿を表現したものなどがある。法隆寺五重塔初層の釈迦涅槃変相(国宝)ほかの塑像群は、奈良時代に制作された立体造形の変相として貴重である。浄土の姿を表す浄土変相は、日本で最も普及した変相だが、平安時代以降、密教の影響を受けて、浄土曼陀羅と呼ばれることが一般的となった。
【参照項目】➡浄土曼陀羅
【執筆者:若麻績敏隆】