変化身
提供: 新纂浄土宗大辞典
2018年3月30日 (金) 06:32時点における192.168.11.48 (トーク)による版
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へんげしん/変化身
衆生を救うために仏が菩薩・人・天・餓鬼などに変化した仏身。また、釈尊のように八相を示現した仏身。Ⓢnirmāṇa-kāyaの訳。単に化身ともいう。二身、三身等の仏身論を等しく体系化して述べる際には、応身と同定される。浄影寺慧遠『大乗義章』『観経義疏』は、真・応二身論を仏身論の基礎とするところから、化身は応身に含めた上で議論し、その寿命の有限性と姿形の有相性などから阿弥陀仏を応身仏(変化身)と規定する。この説に対して善導は法・報・化の三身論に則り、化身を応身と判然と区別した上で、逆に応身という呼称は報身の「眼目の異名」(聖典二・一八三/浄全二・一一上)に過ぎないと両身を同定。寿命無量にして有相であるところの阿弥陀仏報身説を独自に主張し、仏身規定に際して、生滅変化する変化(身)を阿弥陀仏の属性から切り離した。法然は『逆修説法』(一七日)に、阿弥陀仏の真身に対する化身(変化身)を「無にして歘ちに有なるを化という。機に随い時に応じて身量を現す大小不同なり」(昭法全二三三)と説明して、円光の化仏、摂取不捨の化仏、来迎引接の化仏という三つの化仏を挙げているが、これらは阿弥陀仏(真身)のはたらきを示す変化身とみなされる。
【執筆者:西本明央】