はほうかい/破法戒
『梵網経』に説かれる四十八軽戒のうちの第四八戒。出家の身でありながら自らの名声や利益のために国王や官僚の前で戒を説き、他の出家者を囚われの身としてしまうようなことがあってはならず、一子を念ずるように、あるいは父母に仕えるように仏戒を護るべきであるとし、ただの一度も悪言をもって仏戒を破する声を聞き入れてはならず、ましてや破るようなことがあってはならないという。人に破法の因縁を教えたり、また孝順の心をなくすならば軽垢罪に当たるとしてこれを制する。
【参考】石田瑞麿『仏典講座一四 梵網経』(大蔵出版、一九七一)
【参照項目】➡四十八軽戒、軽垢罪
【執筆者:袖山榮輝】