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八音

提供: 新纂浄土宗大辞典

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はっとん/八音

如来の声がそなえる八種の音。八種梵音はっしゅぼんのんじょう、八種清浄音などともいう。『無量寿経』下には「梵声はなおし雷震のごとく 八音妙響みょうこうべたまう」(聖典一・二五三/浄全一・二〇)と述べられている。浄影寺慧遠はこの八音を①最妙声(哀妙な声)②易了声(言辞が明瞭)③調和声(ちょうど良い大きさ)④柔軟声(柔和な声)⑤不悞ふご声(言葉に誤りがない)⑥不女声(雄雄おおしく朗らかな声)⑦尊慧声(威厳のある声)⑧深遠声(遠くまで響く声)の八種と理解している。これは『梵摩渝経』(正蔵一)によった解釈であり、おおよそこの八種が八音とされるが、訳語の相違や紹介の順序は仏典によって異なり一定しない。


【資料】『無量寿経義疏』下、『往生礼讃私記』、『釈浄土二蔵義』六


【執筆者:石田一裕】