釈尊のこと。善導『観経疏』には「仰ぎ惟おもんみれば、釈迦はこの方より発遣し、弥陀はすなわちかの国より来迎したまう。かしこに喚び、ここに遣やる。あに去らざるべけんや」(聖典二・一六三/浄全二・二上)とあり、また二河白道の喩たとえにおいても「仰いで釈迦発遣して西方に指向せしむることを蒙り」(聖典二・二九九/浄全二・六〇下)と述べている。つまり釈尊は、この世界の衆生に対して、阿弥陀仏の浄土へ行くように教え勧める者であるから、発遣教主と呼ばれるのである。
【参照項目】➡釈尊、発遣・招喚
【執筆者:石田一裕】