はちなん/八難
さとりを得るうえでの八種の困難のこと。八不閑、八非時、八悪ともいう。『長阿含経』には「八難解法」として、①地獄道に生ずること、②畜生道に生ずること、③餓鬼道に生ずること、④長寿天中に生ずること、⑤辺地無色無仏法の処に生ずること、⑥邪見にして顚倒心を懐くこと、⑦感覚器官が不自由であること、⑧仏に値遇せず梵行を修行しないこと(正蔵一・五五下)、と説かれている。法然は『無量寿経釈』に、「何に況や女人の身は諸経論の中に嫌われ、在在所所に擯出す。三途八難に非ざれば趣くべき方も無し」(昭法全七七)として取り上げている。
【資料】『長阿含経』九
【参考】『無量寿経釈』
【執筆者:郡嶋昭示】