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薄地

提供: 新纂浄土宗大辞典

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はくじ/薄地

菩薩声聞の一〇の階位、すなわち三乗共十地の第五番目。『大智度論』七五によると、薄地とは煩悩が薄くなった位を意味し、声聞にとっては四向四果預流よるあるいは一来いちらいに相当し、欲界の九種の煩悩を一部断じた位である。また菩薩にとってはいまだ仏には至っていないが、すでに阿鞞跋致あびばっちを得た位である。能力の低いこと。「薄地凡夫」「薄地底下の衆生」などといえば、機根が劣る者たちを指す。法然は『登山状』で「すべて薄地凡夫弥陀浄土に生まれん事他力にあらずばみな道絶えたるべきことなり」(聖典四・五〇五)と述べ、他力念仏によってのみ、薄地凡夫往生できることを示している。


【参照項目】➡阿鞞跋致四向四果


【執筆者:石田一裕】